「ウイルス療法」東大が臨床研究 がん治療に新たな選択肢
悪性脳腫瘍(しゅよう)の患者に対し、がん細胞にヘルペスウイルスを感染させ、ウイルスが増殖してがん細胞を死滅させる「ウイルス療法」を臨床研究として始めると、東京大の藤堂具紀特任教授らが発表した。
放射線治療や抗がん剤による化学療法と並び、新たな治療の選択肢になるのではないかとしている。
対象は悪性脳腫瘍の一種で悪性の膠芽(こうが)腫(グリオブラストーマ)を再発した患者。
藤堂特任教授らは、口唇ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルス1型を利用。3遺伝子を改変し、がん細胞だけで増殖するようにした。このウイルスをがん細胞に感染させると増殖して感染したがん細胞を死滅させ、増殖したウイルスはさらに周囲のがん細胞に感染、次々と死滅させる。正常細胞に感染しても増殖しない。
臨床研究では、腫瘍内にウイルスを投与。容量を変えて21例に実施し、安全性などを評価する。
膠芽腫は、脳腫瘍の約4分の1を占める神経膠腫(グリオーマ)のうち最も悪性とされ、年間10万人に1人の割合で発症。手術後、放射線治療と化学療法をしても平均余命は診断から1年程度で、特に再発した場合は有効な治療法は無かった。
ウイルス療法は、がん細胞がウイルスに感染しやすく、感染するとウイルスがよく増える性質を利用した方法。
藤堂特任教授は「膠芽腫だけでなく、ほかのいろいろな固形がんにも有効と考えられる」と話している。
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